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〒319-1106 茨城県那珂郡東海村白方白根2-4

放射線計測Q&Aの詳細

(1)放射線量の測定では:

 家の中、庭、道路や公園などの環境で放射線量を測定したい場合には、マイクロシーベルト毎時(μSv/h)の表示がある放射線測定器(線量率計)を使用します。
 簡易型のガンマ線線量率計としては、ガイガーカウンタ(GM計数管)、ヨウ化セシウム(CsI)シンチレーション検出器などがあります。
 正確な放射線量の測定には、エネルギー補償型*1のヨウ化ナトリウム(NaI)シンチレーション検出器や電離箱検出器を用います。これらは、放射線を取り扱う施設で放射線の管理を行う際に用いられている信頼性の高い測定器です。
使用する測定器の性能(エネルギー特性*2、方向特性*3、線量率特性*4など)や測定方法によって表示される値が変わりますので、これらの問い合わせに応えてくれる業者から購入すると良いでしょう。
 また、線量率の表示桁は、もともと身のまわりにある放射線は0.02μSv/hから0.1μSv/h程度ですから小数点以下2桁(0.01μSv/h)あれば十分ですが、放射線を検出する部分が小さい(感度が低い)と安定した数値を表示しません。

【*1 エネルギー補償型とは:同じ数のガンマ線が体に当ったとしてもガンマ線のエネルギーによって人体への影響が異なるため、ガンマ線のエネルギーを考慮したシーベルト値を表示するような仕組みを電気的、構造的に持たせてある測定器です。】

【*2 エネルギー特性とは:エネルギーの異なる一定量の放射線が測定器に入射するとき、入射するエネルギーによって指示値が変わることを言います。】

【*3 方向特性とは:一定の方向から一定の量の放射線が測定器に入射するとき、その入射方向によって指示値が変わることを言います。】

【*4 線量率特性とは:1、10、100、1000μSv/hと言った強さの異なる放射線場に測定器を置いたとき、その放射線場の強さに応じて指示値が変わることを言います。】

(2)放射性物質による表面汚染の測定では:

 体の皮膚、車のボディなどの表面に付着した放射性物質による汚染の状況を測定したい場合には、シーピーエム(cpm*1)またはシーピーエス(cps*2) と言った計数率*3の表示がある測定器を使用します。放射能を表すベクレル(Bq)を表示する簡易測定器もありますが、放射性ヨウ素や放射性セシウムなどの放射能の値を正確に示しているものでは無いことに注意しましょう。
 簡易型の表面汚染検査計としては、ほとんどがガイガーカウンタ(GM計数管)です。 放射線の入射窓が薄い膜になっているもの(端窓型)を選んでください。
 計数率(シーピーエム)から正確な放射能(ベクレル)を求めるには、専門的な知識が必要です。通常、測定結果であるシーピーエムが測定したいものの表面からのものなのか試料の内部からのものなのかの判断や表面汚染の均一性など不確定な要素が多いことから、表面汚染の評価結果(たとえば、単位面積あたりの放射能(Bq/cm2))は、放射線管理上の表面汚染の基準を満たしているか否かの判断材料(目安的な放射能値)として用いられています。

【*1 cpm:count per minuteの略で、1分あたりの計数値のことです。】
【*2 cps:count per secondの略で、1秒あたりの計数値のことです。】
【*3 放射線測定器が、1分間、1秒間などの単位時間あたりに計数した数を計数率と言います。】

(3)放射能濃度の測定では:

 放射性の元素(核種)の多くは決まったエネルギーのガンマ線を出しますので、ゲルマニウム(Ge)半導体検出器やヨウ化ナトリウム(NaI)シンチレーション検出器を用いてガンマ線のエネルギースペクトル(エネルギー分布)を測定して、核種ごとの放射能濃度を測定することができます。ただし、これらの測定器を用いて放射能濃度の測定評価をするためには、装置が極めて高価なことや、標準体積線源やガンマ線スペクトル解析などの専門的な知識が必要なことから、一般の方々にはお勧めできません。

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